憲法における国会

 国会とは、日本の立法を行う機関をいいます。
 日本国憲法は、代表民主制を基本としています。代表民主制とは、国民から国政を託された代表者が国家権力を行使する方法のことです。
 国民によって、国民の中から選ばれた者が代表を行う機関であることが、国会の地位の基礎にあることになります。
 国会は憲法上、以下の3つの地位を有しています。
・国民の代表機関
・国権の最高機関
・唯一の立法機関

国民の代表機関

 憲法43条1項には、
「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。」
 とあります。
 43条1条でいう「代表」とは、政治的代表を指すと考えられています。
 政治的代表とは、国民は代表機関を通じて行動し、代表機関は全国民のために行動しさえすれば、それで全国民の意思を反映するものとみなされるという考え方です。
 具体的には、
・議員は選挙区や後援団体など特定の選挙母体の代表でなく、全国民の代表であること
・議員は議会において自己の信念に基づいて発言・表決し、選挙母体である選挙区ないし後援団体などの訓令には拘束されないこと
 などを意味します。
 この表決の自由(自由委任の原則)が、政治的代表の本質的な特色です。
 また、現在有力な「代表」に考え方に社会学的代表というものがあります。
 社会学的代表とは、社会構造の複雑・多様化にともなって、社会の中に多元的に存在する利害の分布を、そのまま国会に反映するという考え方です。
 具体的には、
・職能代表的に運営すべき(つまり専門知識を生かす政治を行うべき)
・地域代表の色彩を加えるべき(つまり、それぞれの都道府県民の意思を反映させるべき)
・社会的弱者の代表を実現すべき
 などを意味します。
 要するに、政治的代表では議員を全体の代表とし、社会学的代表では個別の代表と考えるのです。

国権の最高機関

 憲法41条には、
「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」
 とあります。
 憲法は国会を「国権の最高機関」と位置づけています。
 ここにいう「最高」とは、国会が内閣や裁判所よりも偉いという意味ではありません。
そうではなく、国会が立法権をはじめ重要な権能を憲法上与えられ、国政の中心的な地位を占める機関であるということを強調する政治的美称に過ぎないと考えられます。

唯一の立法機関

「立法」の意味

 立法という言葉には、大きく分けて以下の意味があります。
①「法律」という名前のつくものを作るというだけの意味(形式的意味の立法)
②「法律」という名前に関わらず、中身のある規則を作るという意味(実質的意味の立法)
 憲法41条にいう立法は②を意味します。

「唯一」の意味

 ここにいう「唯一の立法機関」とは、いかなる名称であろうと、一定の内容を持った実質的意味の立法、国会だけが定める権限を持つという意味です。
 すなわち、
・国会による立法以外の実質的意味の立法は、憲法の特別の定め(議院規則、裁判所規則)がないならば許されない
・国会による立法は、国会以外の機関の参与を必要としないで成立すること
 ということを意味しています。

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