自己決定権

 自己決定権とは、幸福追求権のあらわれの一つです。
 個人の自分の生き方や生活について、公権力の介入や干渉なしに自由に決定する権利をいいます。
 自己決定権は、自己決定権は、憲法上の具体的な権利であると解されています。

自己決定権が問題となる場面

 自己決定権は、例えば以下のような場面で問題として具体化します。
・子どもを持つかなど家族のあり方を決める自由(断種、避妊、妊娠中絶などの問題)
・身じまい(髪型、服装)などライフスタイルを決める自由
・医療拒否、とくに尊厳死など生命の処分を決める自由

【判例】「エホバの証人」信者輸血拒否事件

判決年月日など

 原告は宗教団体「エホバの証人」の信者でした。原告は、その宗教上の信念からいかなる場合も輸血を拒否するという意思を持っていました。
 原告に病気の手術の必要が生じ、東京大学医科学科研究所付属病院に入院しました。執刀する医師は過去に無輸血手術をしたことがあり、原告はこれを期待していました。
 医師は原告が宗教上の理由で輸血を拒否しているのは知っていました。医師としては、原告には輸血をしないように努めるが、輸血以外に救命手段がない場合は輸血する方針でした。この方針について原告は知らされていませんでした。
 結局、この医師は手術において、救命のため輸血の必要があったため輸血を行いました。
 この事実を後から知った原告は、自己決定権および信教上の両親を侵害したとして、国を相手に使用者責任を提訴しました。

事案の概要

 平成12年2月29日・最高裁第三小法廷・判決

争点

 この事件では、宗教上の信念に基づく輸血拒否の意思決定は人格権として認められるかが争点となりました。

結論

 最高裁は、認められるという判決を下しました。

この事案のポイント

 最高裁は、患者が輸血を受けることは自己の宗教上の信念に反するとして拒否すると明確に意思表示している場合、人格権の一つとして尊重されなければならないとしました。

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