参政権

 参政権とは、国民が主権者として、国の政治に参加する権利をいいます。
 参政権の代表的なものに、選挙権と被選挙権があります。
 選挙権とは、選挙人として、選挙に参加することのできる資格をいいます。
 被選挙権とは、公職の選挙において候補者となり、当選人となり得る資格、または地位を意味します。

選挙権の要件

 近代選挙法は、選挙の自由・公正と効果的な代表を実現するために、選挙に関する基本原則を採用しています。
 選挙権の要件は以下の通りです。

普通選挙

 普通選挙とは、財力、納税額、性別などを選挙権の要件としない制度をいいます。
 憲法15条3項には、
「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」
 とあり、この原則に則っています。

平等選挙

 平等選挙とは、複数選挙(特定の選挙人に2票以上の投票を認める制度)や、等級選挙(選挙人を特定の等級に分けて等級ごとに選出制度)をしたものです。普通選挙では、選挙権の価値は平等、すなわち一人一票を原則とします。

自由選挙

 自由選挙とは、棄権しても罰金、公民権停止、氏名の公表などの制裁を受けない制度をいいます。

秘密選挙

 秘密選挙とは、誰に投票したかを秘密にできる選挙をいいます。
 憲法15条4項には、
「すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。」
 とあり、この原則に則っています。

直接選挙

 直接選挙とは、選挙人が公務員を直接に選挙する制度をいいます。

【判例】三井美唄炭鉱労働事件

判決年月日など

 昭和43年12月4日・最高裁大法廷・判決

事案の概要

 北海道の三井美唄炭坑労働組合役員は、市議会選に統一候補を推薦し、その選挙運動を行いました。
 しかし、同労働組合内の組合員の一人が、独自に立候補しようとしました。当組合の役員は、票割れを防ぐために独自の立候補を取りやめるように説得しましたが聞き入れられませんでした。
 そこで、三井美唄炭坑労働組合はその組合員を統制違反者として処分しました。
 これにより、処分を行なった側は、公職選挙法違反により起訴されました。

争点

 この事案では、立候補の自由を統制権で制限できるかが争点となりました。

結論

 最高裁は、制限できないという判決を下しました。

この事案のポイント

 憲法15条1項には、
「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」
 とあります。
 最高裁は、憲法15条1項には、被選挙権者、特に立候補の自由について、直接には規定していないが、これもまた、同条同項の保障する重要な基本的人権と解するべきとしました。

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