憲法とは何か?

 憲法という言葉の意味は大きく分けると、以下の2つがあります。
・形式的意味の憲法
・実質的意味の憲法

 1つ目の形式的意味での憲法、憲法という名前で呼ばれる成文の法典を意味します。この場合、単に「憲法」と呼ばれていればいいわけなので、その内容がどのようなものであるかは問題となりません。例えば、独裁者が作った法律であっても、「××憲法」という名前がついていれば、形式的意味では憲法になってしまいます。

 2つ目の実質的意味での憲法は、ある特定の内容を持った法を憲法と呼ぶ場合を指します。
 実質的意味の憲法は、以下の2つに分類されます。

固有の意味の憲法

 固有の意味の憲法とは、国家の統治の基本を定めた法としての憲法です。国家には、いかなる構造(例えば、王政や連邦制など)を取る場合でも、必ず政治権力とそれを行使する機関が存在します。この機関や組織の作用や相互関係を決める規範が固有の意味の憲法です。

立憲的意味の憲法

 立憲的意味の憲法とは、自由主義に基づいて定められた国家の基本法です。立憲的意味の憲法は「近代的意味の憲法」とも呼ばれます。立憲的意味の憲法の重要な狙いは、政治権力を制限して、人権を保障することにあります。

 これからする憲法の説明では、特に断りがない場合、立憲的意味の憲法を指します。

憲法は誰のために存在するか?

 憲法を考える上で一番重要なポイントは、憲法は個人の尊厳を保障するために作られたことです。
 憲法の条文には人権規範と統治機構について書かれています。
 人権規範とは、基本的人権について定めたものです。
 一方、統治機構とは国家機関とその役割を定めたものです。
 この2つは目的と手段の関係にあるといえます。

 強すぎる国家権力が個人の自由を脅かすのは、歴史から見れば明らかです。王政で政治が行われていた時代には、個人の権力を維持するために個人の自由が抑圧されていました。
 個人の自由を保障するためには、自由を脅かすものをなくさなければなりません。
 そのため憲法は、国民の自由を保障する法であるのと同時に、国家権力を制限する法でもあります。これを制限規範と呼びます。
 制限規範としての憲法は、国家権力から国民の権利と自由を守ります。
 憲法は政府や権力者を規制するものですから「国民に憲法を守らせろ」という意見は、本来は憲法の意義に沿わないものなのです。

憲法の3特性

 憲法には、国民ひとりひとりが崇高な存在であるという「個人の尊重」を基盤とした以下の特性があります。

自由の基本法

 憲法は、個人の尊重を中心的価値に持ちます。そのため、自由の規範である人権規範を実現するために、憲法の組織規範、授権規範をもちます。

制限規範性

 憲法は国家権力を制限します。過度の国家権力を制限し、監視するために、憲法は司法、立法、行政の権力が及ぶ範囲を制限します。

最高法規制

 法律、命令、規範などの法規制の中で、憲法は最高規範となります。国法において最も強い形式的効力を持ちます。さらに、個人の尊重を目的としているため、実質的な最高法規であるともされます。

日本国憲法の基本原理

 日本国憲法は、以下の3つを基本原理としています。
・国民主権
・基本的人権の尊重
・平和主義
 この3つの基本原理は、共通の理念によって、それぞれが関連しています。これを不可分といいます。

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