法の分類

 法の分類には、以下のようなものがあります。

形式による分類

・成文法
・不文法(慣習法、判例法、条理)

内容による分類

・国内法と国際法
・公法と私法
・社会法
・実体法と手続法

成文法

 成文法とは、権限を有する機関が文字によって制定した法をいいます。制定法ともいいます。
 文字による表記がされていないが法として存在する不文法に対置される概念です。
 成文法は上から順に、
・①憲法
・②条約
・③法律
・④命令・条約・規則
 となります。
 上位法は、下位法に優先します。

不文法

 不文法とは、文章で成り立っていない法をいいます。
 不文法の対義語は成文法です。
 不文法には、以下のものがあります。

慣習法

 慣習法とは、一定の範囲の人々の間で反復して行われるようになった行動様式などの慣習のうち、法としての効力を有するものをいいます。
 慣習法の成立要件は以下の2つです。
・そのことが繰り返し行われていること
・それに対して法的確信が形成されていること
 民事法の分野では、商習慣法が重要な意義を持っているように、慣習法は多く存在します。
 しかし、刑法では罪刑法定主義により慣習法による処罰は禁止されています。罪刑法定主義とは、法律がなければ犯罪もなく、刑罰もありえないという思想をいいます。

判例法

 判例法とは、裁判において裁判所が示した法律的判断が、先例として後の裁判を拘束する力を持つにようになったものをいいます。
 日本では上級審の判決はその事件についてだけ下級審を拘束するだけにすぎません。最高裁の前判決も大法廷で変更できるが、後の判決への判例の拘束力は強いものになります。

条理

 条理とは、物事のすじみち・道理という意味です。
 1875年太政官布告〈裁判事務心得〉3条は、〈民事ノ裁判ニ成文ノ法律ナキモノハ習慣ニ依リ習慣ナキモノハ条理ヲ推考シテ裁判スヘシ〉と規定しています。これは、条理をもって民事裁判の基準とすべき旨を定めたものです。
 この布告が現在でも法律としての効力をもっているかどうかは問題ですが、学説は、一般に、この規定の精神を根拠として条理を私法の法源の一つと考えています。

国内法と国際法

 国内法とは、国家内において効力を持つ法をいいます。
 一方で、国際法とは、国家間、あるいは国家と国際機関との間など、国際社会において効力を持つ法です。

公法と私法

 公法とは、国・地方公共団体と国民・市民の間の統治関係を規律する法をいいます。公法には、憲法、刑法、行政法、訴訟法などがあります。
 一方で私法とは、個人相互など私的関係を規律する法です。民法、商法などがあります。

社会法

 社会法とは、
・所有権の不可侵
・契約自由の原則
 などを基本原理とする市民法を修正・補充する法です。
 例えば、
・労働基準法
・生活保護法
 などがこれにあたります。

実体法と手続法

 実体法とは、権利義務(発生、変更、消滅等)の内容を定める法をいいます。
・憲法
・民法
・商法
・刑法
 などがこれにあたります。
 一方で、手続法とは、実体法を具体的に実現する手続を定めた法をいいます。
・民事訴訟法
・刑事訴訟法
・行政手続法
 などがこれにあたります。

一般法と特別法

 一般法とは、人・場所・事柄について法令の効力を一般的に及ぼす法をいいます。
 一方で特別法とは、特定の人・特定の場所・特定の事柄に限って適用される法をいいます。
 特別法は、一般用に優先するという原則があります。
 これは例えば、
・商法は、特定の人・場所・事柄に関する法律なので特別法である
・借地借家法は、商法の賃貸借に関する特別法である
 というように使われます。
 また、後法が前法に優先するという原則があります。この場合、後法が一般法で、前法が特別法の場合、特別法が優先されます。

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