行政委員会

 行政委員会とは、以下の特徴を持つ機関をいいます。
・複数の委員によって構成される合議制の形態をとる
・母体となる行政部門からある程度独立した形でその所管する特定の行政権を行使する地位を認められている。

行政委員会の種類

 行政委員会の種類には、以下のものがあります。

都道府県・市町村のどちらにも置く

・教育委員会
・選挙管理委員会
・人事委員会(公安委員会)
・監査委員

都道府県のみに置く

・公安委員会
・労働委員会
・収容委員会
・海区漁業調整委員会
・内水面漁場管理委員会

市町村のみに置く

・農業委員会
・固定資産評価審査委員会

規制制定権

 行政委員会は、法律の定めにより、法令や条例に違反しない限り、規則その他の規程を定めることができます。
 ただし、違反者に過料を科す規定を設けることは設けられません。更に、その効力は、長の規則に劣ります。長の規則に違反する委員会の規則は無効となります。

監査委員

 監査委員とは、地方公共団体の執行機関のひとつです。
 地方公共団体の財務や事業について監査を行います。
 監査委員は複数人いますが合議制ではありません。委員一人一人の独任制です。そのため「監査委員会」とはいいません。
 普通地方公共団体は、地方自治法により監査委員を設置しなければなりません。

 監査委員の数は以下の通りです。
・都道府県、政令で定める市は4人
・その他の市町村は2人
 ただし、条例で定数を増やすことも可能です。

 監査委員は、長が議会の同意を得て、選任します。
 監査委員に選ばれる者は以下のうちのいずれかです。
・人格が高潔で、普通地方公共団体の財務管理、経営管理、行政運営に優れた識見を有する者
・議員
 この場合、議員のうちから選任する監査委員の数は以下の通りです。
・都道府県、政令で定める市(人口25万人以上)は、2人または1人
・その他の市町村は、1人

 監査委員の任期は以下の通りです。
・優れた識見を有するものから選任された者は4年
・議員の中から選任された者は議員の任期による

 監査委員は退職する場合、長の承認を得なければなりません。
また、長・副知事・副市長と親子、兄弟姉妹、夫婦の関係にあるものは監査委員となることはできません。監査委員にこの関係が生じたときは、その職を失います。
 長は以下の場合、議会の同意を得て、監査委員を罷免することができます。
・心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認めるとき
・職務上の義務違反、その他監査委員たるに適しない非行があると認めるとき

 監査委員の職務については以下の通りです。

監査対象

 監査委員は、財務に関する事務の執行、経営にかかる事業の管理を監査します。
 監査を行うのは以下の場合です。
・①毎会計年度、少なくとも年1回以上、期日を決めて行う
・②必要があると認められるとき(いつでもこの監査をすることが可能)
・③長から、事務の執行に関し監査の要求があったとき
 このうち②と③の場合は、以下のことを監査できます。
・財政的援助を与えているものの出納、
・その他の事務の執行で財政的援助にかかるもの

監査手続

 監査委員は、必要があると認めるときは以下のことができます。
・関係人の出頭、関係人についての調査、関係人に帳簿・書類等の提出を求めること
・学識経験を有するものから意見を聞く
 監査委員は、合議によって、監査の結果に関する報告を決定します。これを普通地方公共団体の議会および長、並びに関係のある行政委員など提出し、公表しなければなりません。

外部監査制度

 外部監査制度とは、弁護士や公認会計士など外部の専門家に監査を依頼する制度をいいます。
 これにより、地方公共団体の監査の厳正・公正を徹底することができます。

 外部監査契約を締結できる者は以下の通りです。
・弁護士(弁護士資格を有する者を含む)
・公認会計士(公認会計士資格を有する者を含む)
・税理士(税理士資格を有する者を含む)
・国の行政機関において会計監査に関する行政事務に従事した者などで、監査に関する実務に精通しているものとして政令で定める者

 外部監査制度には以下のものがあります。

包括外部監査制度

 包括外部監査制度は、以下の特徴を持ちます。
・外部監査人が自己の判断に基づいて特定の事件を監査する
・毎会計年度ごとに契約を締結する
・連続して4回以上同一人と契約してはならない
・都道府県、指定都市、中核市は、包括外部監査人を必ず置く
・その他の市、町村においても、条例で定めることにより置くことができる

個別外部監査制度

 個別外部監査制度は、以下の場合などに個別事項ごとに契約できます。
・直接請求があった場合
・長または議会から監査請求があった場合
・住民監査請求があった場合

 監査委員は必ず置かなければならない機関です。ゆえに、外部監査制度を設けたからといって、監査委員制度を廃止することはできません。
 また、包括外部監査制度と個別外部監査制度は併存させることが可能です。

住民監査請求

 住民監査請求とは、住民(国籍、選挙権などは問わない)が、普通地方公共団体の財務・契約における不正について、監査を請求することができる制度です。
 住民監査請求は違法または不当な財務会計上の行為のあった日から1年を経過したときは、正当な理由がある場合を除き、することができません。

住民訴訟

 住民訴訟とは、住民監査請求をした住民が、監査結果・勧告・措置などに対して不服がある場合、裁判所に訴訟を提起できる制度をいいます。

住民訴訟を起こせる期間

 住民訴訟を起こせる期限は以下の通りです。
・監査、勧告に不服がある場合:内容の通知から30日以内
・執行機関、職員の措置に不服がある場合:措置に関する通知から30日以内
・監査委員が監査を行わない場合:監査請求から60日を経過した日から30日以内
・勧告に対する措置が行われない場合:勧告に示された期間が経過した日から30日以内

住民訴訟を提起できる者

 住民訴訟を提起するには、その前に住民監査請求を行っている必要があります。これを住民監査請求前置主義といいます。
 以上の要件を満たせば、住民訴訟は、当該地方公共団体の住人であれば1人でも提起できます。また自然人でも法人でも提起できます。納税していることは要件ではありません。

住民訴訟の対象

 住民訴訟の対象となるには以下の要件を満たす必要があります。
・財務会計上の違法な行為である(不当な行為は含まれない)
・公共団体の財政に損害を与える行為である

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