普通地方公共団体の議会

 普通地方公共団体には、議事機関として議会が設置されます。
 議会の議員の定数は平成11年の改正により、人口に応じて法定された人数の範囲内で、各地方公共団体が、条例で定めることが可能となりました。
 なお、町村については、条例で議会をおかずに、選挙権を有する者の総会(町村総会)を設けることができます。

議会の性格

 議会は地方公共団体の最高機関ではありません。議会は地方公共団体の長と対等の関係にあります。この点は、国会が国権の最高機関であることとは異なります。
 また、地方議会は立法機関とはされていません。地方議会は、条例の制定というルールをつくる任務を持ちますが、同時に地方行政の重要事項の決定に関わったり、執行機関の管理執行についての検閲監査など多くの権能を持っています。そこで、地方議会は立法機関とはされず、議事機関とされています。

議会の権限

 議会は多くの権限を持ちますが、代表的なものには以下が挙げられます。

決議権

 議会は地方自治法96条1項の事項および条例で追加された事項について決議権を持ちます。
 ちなみに地方自治法96条1項には、
・条例を設け又は改廃すること。
・予算を定めること。
・決算を認定すること。
 などを含む全15項目があります。

調査権

 普通地方公共団体の議会には100条調査権と呼ばれる強力な調査権が与えられています。これは、国会の国勢調査権に対応するものです。
 調査内容には以下のものがあります。
・議案調査(現段階あるいは将来予想される事案についての基礎資料の収集)
・政治調査(世論の焦点となっている事件の実情の調査)
・事務調査(地方公共団体の一般的な事務の執行状況に関する調査)
 調査手段としては以下のものなどがあります。
・出頭の請求
・証言の請求
・記録の提出の請求
 出頭の請求を受けたのに、正当な理由がなく出頭しないものについては禁錮または罰金が課せられます。この場合、議会は原則として告発しなければなりません。

選挙権

 議会は、議長や副議長などの権限に属する者の選挙を行わなくてはなりません。

意見書の提出

 普通地方公共団体は自らの公益に関わることの意見書を国会または関係行政庁に提出できます。

定例会および臨時会

 普通地方公共団体の議会には、定例会と臨時会があります。
 定例会とは、毎年条例で定められる回数を招集しなければならない会議です。
 臨時会とは、必要がある場合に、その事件に限り招集される会議です。
 議会の招集は普通地方公共団体の長が行います。ただし、以下の請求があった場合は、長は請求があった日から20日以内に臨時会を招集しなければなりません。
・議長が議会運営員会の決議を経て、長に対して会議に付すべき事件を示して臨時会の招集をした
・議員定数4分の1以上の者が会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集の請求をした

議長および副議長

 普通地方公共団体の長は、議員の中から議長および副議長を選挙しなければなりません。議長および副議長の任期は、議員の任期によります。
 議長および副議長は、議会の許可を得て辞職することが可能です。

不信任決議

 長に対する議会の対抗手段として、長に対する不信任決議があります。
 不信任決議は、議員数の3分の2以上が出席し、その4分の3以上の者の同意で行われます。
 ただし、長が議会の不信任決議に対抗して議会を解散し、解散後初めて招集された議会の場合は再び不信任の議決を行うときは、議員数の3分の2以上が出席し、その過半数の同意で足ります。
 不信任決議の理由は特に制限されていません議会の政治的判断に委ねられています。

議会の解散

 議会が解散する場合には、以下の3つが挙げられます。

長による解散

 普通地方公共団体においては、長が議会を解散できるのは不信任決議の通知を受けてから10以内に限定されています。

住民による議会の解散請求

 普通地方公共団体の住民で日本国民である選挙権を有する者は、当該普通地方公共団体の議会の解散を請求できます。この場合、上記に該当する者の総数の3分の1(総数が40万を超える場合は、40万を超えた分の6分の1と、40万の3分の1を合計した数)以上の者の連署が必要です。

議会の自主解散

 議員数の4分の3以上の者が出席し、その5分の4以上が同意した場合、議会は自主解散することとされています。

議会の運営

議案提出権

 普通地方公共団体の議員が、条例案などの議案を提出するには、議員の定数の12分の1以上の賛成が必要です。
 ただし予算については、この限りではありません。

定足数

 議員の定数の半数以上の議員が出席しなければ、会議は開けません。

秘密会

 普通地方公共団体の議会の会議は、原則として公開しなければなりません。
 しかし、例外として議長また議員の3人以上の発議により、出席議員の3分の2以上が賛成した場合には秘密会を開くことができます。

会議録

 議長は、事務局長または書記長(書記)に以下のことをさせる必要があります。
・書面または電磁的記録により会議録を作成させる
・会議の次第、出席議員の氏名を記載・記録
 会議録には、議長および議会において定めた2人以上の議員の署名が必要です。

委員会

 普通地方公共団体の議会における委員会には、常任委員会、議会運営委員会、特別委員会の3つがあります。教育委員会や選挙管理委員会などの、行政委員会とは異なりますので注意してください。
 委員会は、本会議に先立って、専門的知識や経験を生かし審査を行うための審議機関です。
 委員会は、議会の決議するべき事件のうち、その部門に属する事務に関するものについて、議会に議案を提出できます。ただし、予算については除かれます。

 各委員会の権限は以下の通りです。

常任委員会

 その部門に属する事務に関する調査、議案・請願などの審査が行えます。

議会運営委員会

 議会の運営に関する事項などの調査、議案・請願などの審査が行えます。

特別委員会

 付議された事件の審査を行えます。

 委員会の活動に関することは以下の通りです。

設置方法

 委員会は、条例で設けることができます。

在任期間

 在任期間は条例で定めます。平成24年の法改正により「議員の在任が在任期間になる」という規制は廃止されました。

選任方法

 選任方法は条例で定めます。平成24年の法改正により「議員は少なくとも1個の常任委員会の委員となる」などの規定は廃止されました。

閉会中の審査

 議会の決議により付議された特定の事件については、閉会中も審査することが可能です。

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