会社の種類

 会社法は、以下の4種類の会社を定めています。
・株式会社
・合名会社
・合資会社
・合同会社
 このうち、株式会社以外の会社は持分会社と呼ばれます。

有限会社の廃止

 旧会社法には存在していた有限会社は平成18年4月末をもって新設できなくなりました。ただし、それまで存在していた有限会社は社名の変更を強制されないため、現在でも有限会社を名乗る企業は多数存在します。

会社構成員の責任のあり方

 会社を分類する上で重要となるのが会社構成員の責任のあり方です。これには「有限責任と無限責任」や「直接責任と間接責任」という区別の仕方があります。

有限責任と無限責任

 有限責任とは、社員が一定の限度でしか責任を負わないことをいいます。
 一方で無限責任とは、会社の債務に関して、無限に責任を負うことをいいます。

直接責任と間接責任

 直接責任とは、会社債権者が請求してきたら、その請求に直接応じなければならないことをいいます。
 一方で間接責任とは、会社への出資行為を通じてのみ責任を負うことをいいます。

株式会社

 株式会社という企業形態の特徴は以下の通りです。
・細分化された株式を有する株主から有限責任の下に資金を調達している
・株主から委任を受けた経営者が事業を行う
・利益を株主に配当する
・法人格を有する
 株式会社を作ることのメリットは、大規模な、あるいはリスクの高い事業を行うことを可能にすることです。
 株式会社では、多くの株主から資金を調達できます。これにより、個人の財産では実行が困難な事業を可能とします。
 また、例えば、個人が大事業で失敗したならば、それは致命的で負債を返すことすらままならないでしょう。しかし、株式という制度を使い大人数でリスクを分配すれば、事業が上手くいかなかった際のダメージは小分けにされます。これにより、企業はリスクの高い事業を行えるようになるのです。
 ただし、リスクの高い事業を行うには株主の承認が必要です。意思決定権を有する株主が多くなるほど、どのような事業を行うかという意見がまとまりにくくなります。これが株式会社のデメリットです。

持分会社

 1つの物の権利を複数の人が持っていることを「共有」といいます。 そして、各共有者が持つ所有権の割合を「持分」といいます。
 持分会社とは、社員の地位が持分である合名会社・合名会社・合同会社のこといいます。

持分会社と株式会社の違い

 持分会社は、株式会社とは異なり、いずれも社員間に人的信頼関係があります。また社員が経営について能力と意思を有することを前提としています。

持分会社の種類と責任

 持分会社の種類と、社員の責任は以下の通りです。
・合名会社:全員が無限責任社員
・合資会社:無限責任社員と有限責任社員が存在する
・合同会社:全員が有限責任社員

持分会社の設立

 持分会社は大まかにいって、以下のように成立します。
①社員となろうとする者が定款を作成する
②その全員がこれに署名、または記名押印する
③本店の所在地において設立の登記をする
※設立される会社が合同会社の場合は、社員となろうとする者が定款作成後、登記をする時までに出資を終えなければなりません。

設立の瑕疵

 持分会社の場合、設立無効の訴えにおいて、客観的無効要因だけでなく、主観的無効要因も認められます。
 ここでいう主観的無効要因とは、個々の社員の設立行為に錯誤、通謀虚偽表示などがあることをいいます。
 さらに、設立取消しの訴えも認められています。
 設立取消しの訴えが可能なのは以下の場合です。
・社員が、民法その他の法律の規定により(制限行為能力、詐欺など)設立にかかわる意思表示を取り消すことができる場合
・社員が、その債権者を害すること知って持分会社を設立した場合

社員

 持分会社の無限責任社員および有限責任社員は、以下の場合において連帯して持分会社の債務を弁済する責任を負います。
・会社の財産をもってその債務を完済することができない場合
・会社の財産に対する強制執行がその効を奏さなかった場合
 また、無限責任社員は、会社債務に関して、無限責任を負います。一方で、有限責任社員は、すでに会社に対して履行したものを除いた出資の価格を限度とした有限責任を負います。

持分の譲渡

 原則として、持分の譲渡には、社員全員の承諾が必要です。ただし定款で、特別の定めを置くことは可能です。
 また、例外的に業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡は、業務を執行する社員の全員の承諾が必要となります。この場合も、定款で、特別の定めを置くことは可能です。
 持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任内でこれを弁済する責任を負います。

業務の執行

 原則として、各社員は、持分会社の業務を執行します。社員が2人以上いる場合は、会社の業務は、社員の過半数をもって決定します。
 ただし、例外として以下の場合は会社の業務を、業務を執行する社員の過半数をもって決定することがあります。
・業務を執行する社員を定款で定めた場合
・業務を執行する社員が2人以上ある場合

業務および財産状況の調査

 業務を執行する社員を定款で定めた場合、各社員は業務執行権を有しないときでも、その業務および財産状況を調査することができます。
 これは、業務執行について重大な利害関係を有している各社員に監視権を認めることが目的です。

会社の代表

 業務を執行する社員は、持分会社を代表します。
 業務を執行する社員が2人以上いる場合は、業務を執行する社員は、各自、持分会社を代表します。
 持分会社は、定款、または、定款の定めに基づく社員の互選によって、業務を執行する社員の中から代表する社員を定めることができます。
 持分会社を代表する社員は、持分会社の業務に関する一切の権限を有します。かかる権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません。

社員の加入と退社

 持分会社成立後に加入した社員は、加入前に生じた持分会社の債務についても弁済する責任を負います。
 持分会社では、会社からの出資の払戻しを受ける手段としての退社が認められています。
 ここでいう退社とは、会社の存続中に社員がその持分を絶対的に喪失することをいいます。
 退社した社員は、その登記をする前に生じた債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負います。
 社員の退社については、社員自らが退社する任意退社と、法定の原因による法定退社があります。
 法定退社原因には以下のものがあります。
・定款で定めた事由の発生
・総社員の同意
・死亡
・合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る)
・破産手続開始の決定
・解散(前二号に掲げる事由によるものを除く)
・後見開始の審判を受けたこと
・除名

合名会社

 合名会社とは、日本の会社法においては持分会社の一つです。直接、連帯して無限責任を負う社員のみから構成される会社形態です。
 合名会社は、人的信頼関係にある少数人による、小規模な共同企業に適した会社形態です。合名会社では、財産的な信用の基礎が構成員に置かれています。
 合名会社の社員は、原則として会社の業務を執行し、会社を代表します。
 合名会社の商号中には、「合名会社」という文字を用いなければなりません。

合資会社

 合資会社は、日本の会社法では合資会社は持分会社に類されます。
 合資会社とは、出資の価格を限度として会社の債権につき直接弁済をする責任を負う社員(直接有限責任社員)と、直接無限責任社員からなる組織の会社をいいます。
 合資会社における業務執行および会社代表は合名会社と同様に、原則として社員全員が行います。
 合資会社は、社員の人数が少ない共同企業に適しています。

合同会社

 合同会社は、日本の会社法では持分会社に分類されます。
 合同会社とは、間接有限責任社員でのみ構成され、会社の内部関係については民法上の組合と同様の規律が適用される会社をいいます。
 民法上の組合と同様の規律とは、以下のことをいいます。
・原則として社員全員の一致で定款の変更その他会社のあり方の決定が行われる
・各社員が自らの会社の業務執行にあたる

 合同会社と株式会社は、その構成員が有限責任である点では共通しています。そのため、会社と第三者との関係では、配当規則や債権者保護手続きについて、ほぼ同様の規制がされています。
 一方で合同会社と株式会社には、以下の違いがあります。

取締役等の機関について

 株式会社においては、社員の意思決定機関として株主総会を設け、業務執行者として社員とは異なる取締役等の機関を設ける必要があります。
 一方で、合同会社では、組合同様に広く契約自由の原則が妥当とされます。機関設計や社員の権利内容などについては絶対的なルールが存在せず、広く定款による自治に委ねられています。

出資者の権利内容について

 株式会社では出資者である株主の権利内容は、原則として平等原則が適用されます。そのため、株主の個性を問いません。それにより株式の譲渡自由の原則が採用されています。
 一方で合同会社は、社員間の人的なつながりが強いという特徴を持っています。そのため出資者が持分を譲渡する場合、原則として他の社員全員の一致が必要とされています。

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