国家賠償制度

 国家賠償制度とは、公務員の不法行為によって国民に損害が生じた場合、損害を金銭に見積もって、国または地方公共団体が補填する制度をいいます。
 これは憲法17条の、
「何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。」
 という条文により規定され、国家賠償法が具体化しています。

国家賠償責任の所在

 公務員の不法行為の被害者は、加害者である公務員に対して賠償責任を問うことができません。
 なぜなら、公務員個人への責任追求を認めると、公務員が損害賠償請求を恐れ、仕事に対して消極的になる可能性があるからです。
 また、公務員個人の財産状態によっては、十分な賠償金を払えず、被害者の救済にとって不十分となる可能性もあります。
 以上のことから、公務員の不法行為は、国または地方公共団体が賠償責任を負います。
 本来は公務員が負うべき賠償責任を、国または地方公共団体が代わって負う責任なので、代位責任と呼ばれます。

民法との関係

 国家賠償法は、民法709条以下が定める不法行為制度についての特別法です。したがって、国や地方公共団体の不法行為については、まず国家賠償法が適用されます。
 民法を用いるよりも、国家賠償法を用いる方が、責任追及が容易です。これには国民の基本的人権の保護を図り、行政活動を事後的に統制しようという目的があります。
 ただし、国家賠償法にない事項に関しては、一般法である民法の規定が適用されます。
 例えば、民法の規定が適用されることには以下のものがあります。
・過失相殺
・時効期間(民法724条により短期では3年の時効期間)

国家賠償法の内容

 国家賠償法は、以下のものを2本柱としています。
・公権力の行使に基づく損害賠償責任(1条)
・公の営造物の設営管理の瑕疵に基づく損害賠償責任(2条)

相互保証主義

 国家賠償法では原則として、被害者が外国人である場合、その外国人は国家賠償請求ができないことになっています。しかし例外として、外国において日本人にも国家賠償請求が認められる場合に限り、その国の外国人は国家賠償請求が可能です。これが国家賠償法における相互保証主義です。

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