不服申立ての種類

 不服申立てには、以下の3種類があります。

異議申立て

 異議申立てとは、行政庁の処分、または不作為に対して、処分庁ないし不作為庁に不服を申し立てる手続きをいいます。つまり、異議申立ては、処分、または不作為をしている本人に対して不服を申し立てる手続きです。

審査請求

 審査請求とは、行政庁の処分、または不作為に対して、処分庁ないし不作為庁以外の行政庁に対し、不服を申し立てる手続きをいいます。審査庁は、国民と処分庁両者の言い分を聴いて審理します。
 そのため、処分庁自身が自分の行為を評価する異議申立ての手続よりも、客観的で公平な判断が期待できます。

再審査請求

 再審査請求とは、審査請求の結果(裁決)に不服のある者が、更に不服を申し立てる手続きをいいます。

異議申立てと審査請求の関係(相互独立主義)

 異議申立てと審査請求は相互に独立の関係になっており、1つの処分に対しては、選択的にどちらかの申立てのみしか成し得ないのが原則です。これを相互独立主義といいます。
 よって、同時に両方を申し立てることはできません。

異議申立てと審査請求の関係(上級行政庁がある場合)

 処分庁に上級行政庁がある場合には、原則として、審査請求のみをすることができます。
 この場合には、処分庁に対して異議申立てをすることもできるはずです。しかし、処分庁以外の機関が審査する方が審査の公正が期待できるため、このような規定となっています。
 ただし、例外もあります。上級行政庁があるにもかかわらず、個別法に異議申立てをすることができる旨の定めがある場合には、先に異議申立てをしなければなりません。これを異議申立前置主義といいます。
 審査請求による公正な判断よりも、異議申立てによる素早い権利救済を重視した場合には、個別法において異議申立前置主義を採用しています。
 もっとも以下の場合には、個別法において異議申立前置主義を採用しているとしても、異議申立てを経ることなしに審査請求をすることができます。

処分庁が、当該処分につき異議申立てをすることができる旨を教示しなかったとき

 この場合、異議申立てを経なかったことがやむを得ないといえるからです。

当該処分につき異議申立てをした日の翌日から起算して3ヶ月を経過しても、処分庁が当該異議申立てにつき決定しないとき

 この場合には、いつまでも異議申立てに対する決定を待っていられないからです。

その他異議申立てについての決定を経ないことにつき正当な理由があるとき

上級行政庁がない場合

原則

 上級行政庁がない場合、(処分庁が、各省大臣・都道府県知事・市町村長である場合など)には、原則として、異議申立てのみをすることができます。

例外

 上級行政庁がない場合であっても、法律で審査請求をすることが認められる場合には、審査請求のみをすることができます。この場合には、法律で審査庁を設定することができます。

不作為に対する不服申立て

原則:自由原則主義

 行政庁の不作為については、異議申立て、または審査請求のいずれかを自由に選択して申し立てることができます。申請に対する応答を求めるのにふさわしい行政庁を選択させるためです。
 なお、不作為に対する不服申立てにも、相互独立主義が適用され、不作為に対して異議申立てと審査請求を同時に申し立てることはできません。

例外

 不作為庁が主任の大臣または宮内庁長官もしくは外局もしくはこれに置かれる庁の長であるときは、異議申立てのみをすることができます。各処分庁の職務上の独立性を尊重するためです。

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