行政不服審査法

 行政不服審査法とは、行政庁の違法または不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てを開くことによって、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする法律です。

行政不服審査法の異議

 十分な条件が整い、行政に対して店を出店する申請を行ったのに許可が得られなかった場合、国民はその不満を訴訟で争うことができます。しかし、訴訟は時間がかかり、負担する費用も大きいというデメリットがあります。また、裁判所は三権分立の観点から法律上の訴訟について法律問題のみを取り上げて判断します。そのため、行政処分が違法か否かしか判断できません。違法ではないけれど不当な処分を正すことができません。
 そこで登場するのが行政不服審査法です。
 これは、行政の処分に関して不満がある場合に、行政機関に不服を申し立て、その違法性・不当性を審査してもらいます。
 行政不服審査は訴訟と比較して時間・費用のコストが軽く、行政庁自身の審査なので妥当性も審査できます。ただし、第三者による審査ではないので、中立かつ公平な判断となる保障がないというデメリットがあります。

不服申立ての対象

 行政不服審査の対象は、行政庁の「処分」と「不作為」に限られます。

処分

 処分とは、行政庁が、法令に基づき優越的立場において、国民に対し権利を設定し、義務を課し、その他具体的な法律上の効果を発生させる行為をいいます。
 違法は処分のみならず、不当な裁量処分も「処分」にあたり、不服申立ての対象とすることができます。
 また、法律上の行為だけでなく、公権力の行使にあたる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が継続的性質を有する行為(不法入国者に対する収容処分、精神病患者の入院措置など)の処分に含まれ、不服申立ての対象となります。

不作為

 不作為とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分その他公権力の行使にあたる行為をすべきにもかかわらず、これをしないことをいいます。
 いわゆる「行政による申請の握りつぶし」の余地を与えないため、不作為についても不服申立てが認められます。

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