聴聞

 行政庁が以下に該当する不利益処分をするとき、聴聞による名あて人の意見陳述の手続を取らなければなりません。
・許認可等を取り消す
・資格や地位を、直接にはく奪する
・名あて人が法人の場合、役員の解任・従事する者の解任・会員の除名を命ずる
・その他、行政庁が相当と認めるとき

聴聞の通知方式

通知

 行政庁は、聴聞を行うにあたり、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人に対し、一定事項を書面により通知しなければなりません。
 不利益処分の名あて人となるべき者の所在が不明な場合は、一定事項を記載した書面をいつでもその者に交付する旨を当該行政庁の事務所の掲示板に掲示することによって行うことができます。(掲示から2週間が経過すると、その者に到達したものとみなす)

通知事項

 通知事項は以下の通りです。
・予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
・不利益処分の原因となる事実
・聴聞の期日及び場所
・聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地

通知に伴う教示事項

 通知の書面において、以下について教示しなければなりません。
・聴聞の日に出頭して意見を述べ、証拠書類、証拠物(証拠書類等)を提出し、又は、出頭に代えて、陳述書・証拠書類等を提出することができること。
・聴聞が終結するまでの期間、不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができること。

聴聞の代理人・参加人

 行政手続法において、代理人と参加人については以下の通り規定されています。

代理人

・聴聞の通知を受けた者(当事者)は、代理人を選任することができる。
・代理人は、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。
・代理人の資格は、書面で証明しなければならない。
・代理人がその資格を失ったときは、当事者は、書面でその旨を行政庁に届出なければならない。

参加人

 主催者は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分に利害関係を有する者に対し、聴聞の手続に参加することを求める、または、聴聞に参加することを許可することができます。
 参加人は、代理人を立てることできます。。参加人の代理人についての規定は、当事者の代理人の規定を準用します。

聴聞の主催

 聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主催します。
 ただし、以下に該当する者は、聴聞を主催できません。
(1)当該聴聞の当事者、参加人
(2)当事者・参加人の配偶者、4親等以内の親族、同居の親族
(3)当事者・参加人の代理人、補佐人
(4)(1)から(3)の者であったことがある者
(5)当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人
(6)参加人以外の関係人

文書等の閲覧

 当事者、参加人は、聴聞の通知があった時から終結する時までの間、行政庁に対し、調査の結果に係る調書その他事実を証する資料の閲覧を求めることができます。
 行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるなど正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができません。
 聴聞の審理の進行に応じて必要になった資料の閲覧をさらに求めることができます。
 行政庁は、閲覧の日時・場所を指定することができます。

聴聞の審理

 行政手続法に基づく「聴聞」の審理は以下の通り行われます。

冒頭手続

 主催者は、聴聞の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容、根拠となる法令の条項、原因となる事実を聴聞に出頭した者に対して説明させなければなりません。

審理

 当事者、参加人は以下のことができます。
・意見を述べ、証拠書類等を提出する
・主催者の許可を得て行政庁の職員に対して質問する
・主催者の許可を得て、補佐人とともに出頭する
 また、主催者は必要があると認める場合に以下のことができます。
・当事者、参加人に質問を発し、意見の陳述、証拠書類等の提出を促す
・行政庁の職員に対して説明を求める

出頭しないとき

 主催者は、当事者・参加人の一部が出頭しないときであっても聴聞期日における審理を行うことができます。

非公開

 聴聞の審理は、行政庁が、公開することを相当と認めるときを除き、公開しません。

陳述書の提出

 当事者、参加人は、出頭に代えて、主催者に対し、聴聞の期日までに陳述書、証拠書類等を提出することができます。
 出頭は義務ではありません。当事者・参加人の権利として、出頭に代え、陳述書等の提出ができます。

聴聞調書と報告書

調書

 主催者は、聴聞審理の経過を記載した調書を作成し、不利益処分の原因となる事実に対する当事者・参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければなりません。
 調書は、審理が行われたときは各期日ごとに、行われなかったときは、聴聞の終結後速やかに作成しなければなりません。

報告書

 主催者は、聴聞の終結後速やかに、当事者・参加人の主張に理由があるかどうかについて意見を記載した報告書を作成し、調書とともに、行政庁に提出しなければなりません。

調書・報告書の閲覧

 当事者・参加人は、調書、報告書の閲覧を求めることができます。

聴聞の終結と再開

聴聞の終結

 主催者は、当事者の全部・一部が出頭せず、陳述書等の提出もない場合、又は関係人の全部・一部が出頭しない場合、改めて意見を述べ、証拠書類等の提出をする機会を与えることなく、聴聞を終結することができます。

聴聞の再開

 行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主催者に報告書を返戻して聴聞を再開することを命ずることができます。

不利益処分の決定

 結果として不利益処分がなされるとしても、聴聞手続を経た以上、主催者の意見を尊重しつつなされるべきです。

不服申立ての制限

 行政不服審査制度は事後的な救済制度であり、行政手続法の聴聞は事前の手続きです。したがって、両者は個別の制度なので、聴聞を経て不利益処分に対して不満があれば、不服申立てが可能です。ただし、以下の例外があります。

聴聞手続自体に対する不服申立て

 行政不服審査法に基づく異議申立て、審査請求はできません。

聴聞を経てなされた不利益処分に対する申立て

 聴聞手続を経てなされた不利益処分については、参加人は異議申立てができません。

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