行政契約

 行政契約とは、行政主体が、他の行政主体または国民と、対等な立場で締結する契約をいいます。行政契約は、当事者の意思表示の合致によって締結され、法律の根拠は不要です。

行政手段の調達

 行政活動の実施のためには、土地、建物、物品、人などの手段が必要です。こうした分野においては基本的に行政は契約によって目的を達成することになります。こうした契約自体は民法上の契約であり、民法の規定が原則として適用されます。しかし、行政が当事者になることから、税金の無駄遣いを防ぐため会計法や地方自治法など、財務会計法規による制約が課せられます。したがって、相手方の選定や価格の決定などのために、入札などの特別の手続きが求められることになります。

行政事務の委託

 行政事務の委託も、行政手段の調達の一つといえます。行政事務の委託も契約によって行われます。本来は市町村が行うべき業務である一般廃棄物の収集を許可した業者に請け負わせるなど、委託のために契約のあり方も多様化しています。
 また、行政事務の委託は市町村相互間での学校教育の委託など、契約により行政主体相互間で行われる場合もあります。しかし、この場合は行政権権限帰属の変更となるから、法律の根拠を要します。

規制行政と契約

 行政に固有の規制行政の分野においても、契約という手法が用いられることがあります。
 例えば、公害防止協定がこれにあたります。これは工場の進出に際して、地元の事業者との間において、事業者は公害防止などのために一定の措置を取り、市町村は進出に協力する契約です。この契約は、合意の上に成立していますが、法令に根拠のない公害防止などのための義務を事業者に課しています。したがって、郊外規制という行政の任務の手段として行政契約を利用しているといえます。
 かつては、こうした協定に法的拘束力を認めると法治主義を空洞化させることを危惧して紳士協定にすぎないという見解もありました。しかし、今日では、合意に基づいての契約は拘束力を否定する必要はないとするのが通例です。

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