行政行為の瑕疵

 行政行為の瑕疵とは、行政行為の違法性・不当性の原因となる瑕疵をいいます。
 行政行為の瑕疵には、違法な行政行為、不当な行政行為があります。
 違法な行政行為とは、法令に違反した行政行為をいいます。
 一方で不当な行政行為とは、法令に違反してはいないけれど、裁量権行使が適正でない行政行為をいいます。

行政行為の職権取消

 行政行為による処分の相手方が行政行為の過誤や瑕疵を主張するには、取消訴訟を提起しなければならないのが原則です。
 これに対して、行政庁自身が過誤や瑕疵のある行政行為を行ったことに気づいた場合、私人が不利益を受けている状態を解消する場合には取消訴訟は必要ありません。処分を行った行政庁は、自らが誤ってした違法な行為を、最初に遡ってなかったことができます。これを行政行為の職権取消といいます。

行政の撤回

 行政行為が行われた当時には問題がなくとも、その後の時間経過や事情の変化によりその処分が適切でなくなる場合があります。このような場合、行政庁のイニシアチブによって当該行政行為の効力を将来に向かって失わせることを行政行為の撤回といいます。

行政行為の無効

 行政行為の場合、行政行為の内容や方式が法律の定めに違反していても、その行政行為は取消訴訟を通じてのみ取り消せます。よって、当該の行政行為が無効となるわけではありません。なぜなら、行政行為には公定力があるからです。
 例えば、税務署が誤って多くの税を賦課したとします。この場合、その課税賦課処分という行政行為は無効にはなりません。処分を受けた者が出訴期間内に取消訴訟を提起して、過誤を主張しなければ、誤った課税額のまま当該処分は有効になってしまいます。
 ただし、通説・判例は、行政行為の過誤や瑕疵が、重大かつ明白である場合には、当該行政行為は無効であり、取消訴訟によることなく、いつでも誰もが無効を主張できるとしています。
 行政行為が無効となるのは、瑕疵が重大かつ明白な場合に限られます。重大であるけれど明白ではない場合や、明白ではあるけれど重大出ない場合は無効とはなりません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする