行政行為

 行政行為とは、行政が国民に対して、合意に基づくことなく一方的に、具体的な場合において、国民の権利義務に直接的・観念的影響を与える行為をいいます。
 言い方を変えると、以下のことを満たす行為をいいます。
・行政庁の行為である
・私人に対しての行為である
・法律の規定に基づいての行為である
・義務を課したり、権利を付与する行為である

行政行為の目的

 行政が何かを行う場合、公共の利益のために私人に大きな負担を強いる場合があります。この場合、常に自発的に負担契約に応じることは期待できません。また、合意を得るのに時間をかけていたら、行政目的の達成の時機を逸してしまうかもしれません。
 さらに、行政活動の性質によっては、任意の契約手法によることが、行政の平等性、公平性を疑わせる場合もありえます。
 そこで、行政目的を確実・迅速・公平に達成する必要がある分野では、行政庁が私人に対して一方的に法律の規定に基づいて義務を課したり、権利を与えたりできるのです。

行政行為の例

 行政行為は、租税の賦課や土地の収用など、私人に義務を課す場合がその典型です。しかし、義務を課す場合に限らず、行政行為によって権利が与えられる場合もあります。例えば、生活保護や児童手当の支給を認めることは、私人に権利を付与する行政行為です。

行政行為の効力

 行政行為は、私人間における法律行為とは異なる特殊な行為を持っています。
 そのような効力には以下のような種類があります。

拘束力

 拘束力とは、行政行為が、行政庁、相手方、関係人を拘束する効力をいいます。

公定力

 公定力とは、たとえ違法な行為であっても、権限を有する国家機関(処分庁、上級行政庁、裁判所等)によって取消されるまでは、有効な行政行為として扱われる効力をいいます。つまりこれは、一度なされた行政行為に過誤や瑕疵があっても、行政庁を相手取った取消訴訟によって過誤や瑕疵が認定されて取り消されるまでは、有効な行政行為として取り扱われることを意味します。
 私人による法律行為が成立すると、通常はその効果として債権や債務が発生します。同じように、行政によって行政行為が成立すると、私人に義務や権利が発生します。さらに行政行為には、公定力という私人の法律行為には認められない効力があります。

不可争力

 不可争力とは、行政行為が行われてから一定期間が経過すると、国民の側からその効力について争うことができなくなる効力をいいます。

不可変更力

 不可変更力とは、異議申立てにおける決定や不服申立てにおける裁決など、準司法的な行政行為においては、一度行為をなした行政庁は、自ら取消し・変更ができなくなる効力をいいます。
 ただし、裁判所は取り消すことができます。

自力執行力

 自力執行力とは、行政行為の内容を、行政庁が、自力で、強制的に実現できる効力をいいます。これは法律の根拠がある場合にのみ認められます。

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