民法における婚姻

 婚姻とは男女が結婚すること、あるいは結婚していることをいいます。

婚姻の成立要件

 婚姻の成立要件は以下の通りです。

形式的要件

 婚姻は、戸籍法の定めるところにより、これを届け出ることによって成立します。

実質的要件

 婚姻意思が合致していなければ成立しません。
 婚姻意思の内容としては、夫婦共同生活を送るという実質的意思が必要となります。
 また、婚姻に際して、婚姻障碍があってはいけません。

婚姻障碍

 婚姻障碍とは、婚姻ができない事情をいいます。
 婚姻障碍には以下のものがあります。

婚姻適齢

 男は18歳に、女は16歳にならなければ、婚姻をすることができません。

重婚禁止

 配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができません。

再婚禁止期間

 女は、前婚の解消又は取消しの日から6ヶ月を経過した後でなければ、再婚をすることができません。
 ただし、女が前婚の解消または取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、この規定を適用しません。

近親婚の禁止

 直系血族また3親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができません。
 ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りではありません。

未成年者の婚姻に対する父母の同意

 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければなりません。
 ただし、父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足ります。父母の一方が行方不明、死亡、またはその意思を表示することができないときも同様です。

婚姻の無効

 婚姻が無効となる原因には以下のものがあります。
・婚姻意思のないとき
・届出をしないとき

婚姻の取消し

 婚姻を取り消すには、家庭裁判所に請求しなければなりません。
 婚姻の取消原因には、以下のものがあります。

不適齢婚、近親婚の場合

 この場合、当事者、その親族、検察官が取消権者になりえます。

重婚、再婚禁止期間内の婚姻の場合

 この場合、当事者、その親族、検察官に加えて、配偶者と前配偶者が取消権者になりえます。

詐欺、脅迫の場合

 この場合、詐欺や脅迫を受けた当事者のみ取消権者になりえます。

婚姻による身分上の効力

氏の共同

 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫、または妻の氏を称することになります。

同居・協力・扶養義務

 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければなりません。

成年擬制

 未成年者が婚姻をしたときは、婚姻によって成年に達したものとみなされます。

契約取消権

 夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができます。ただし、第三者の権利を害することはできません。

婚姻による財産上の効力

夫婦別産制

 夫婦の一方が婚姻前から有する財産および婚姻中自己の名で得た財産は、夫婦の一方が単独で有する財産となります。
 また、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定されます。

日常家事債務の連帯責任

 夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負います。
 ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りではありません。

婚姻の解消

 婚姻の解消とは、有効に成立していた婚姻が、その後に発生した事由によって消滅することをいいます。
 一方の当事者の死亡、失踪宣告、離婚により、婚姻は解消されます。
 離婚には以下の種類があります。

協議離婚

 協議離婚とは、夫婦が合意によってする離婚をいいます。
 協議離婚の成立には、離婚意思の合致と届出の2つが必要です。
 また、未成年者の子がいる場合は、一方を親権者と定めなければなりません。

裁判上の離婚

 協議離婚ができない場合、裁判所に訴えて、離婚を決定してもらうことができます。
 裁判所に訴えができる理由には以下の例があります。
・配偶者に不貞な行為があったとき
・配偶者から悪意で遺棄されたとき
・配偶者の生死が3年以上不明なとき
・配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
・婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

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