事務管理

 事務管理とは、法律上の義務がない者が好意的に他人のためにその事務の管理を始めることです。
 管理者が管理を始めた場合には、原則として事務の性質に従って最も本人の利益になる方法で本人が管理できるようになるまで管理を継続する義務などを定めます。一方で本人に対しては管理者に対して有益な費用を償還する義務などを定めます。
 事務管理の法的性質は準法律行為です。無効や取消しなど法律行為を前提とする規定の適用ありません。

事務管理の目的

 近代の民法は、人は誰からも干渉されずに自分の財産を自由に使用できると個人主義を基本としています。しかし、日本の民法の起草者は、「互助」の精神を日本的美徳であると考えました。そこで民法により、これが損なわれないように個人主義と互助の精神を調和させるために事務管理という制度を作ったと考えられます。
 そのため、互助の観点から頼まれていないのに他人の事務を管理する行為を適法とする一方で、個人主義の観点から事務管理の報酬を伴わないとした上で管理者に一定の責任を負わせることとしました。

緊急事務管理

 本人の生命や身体、財産に対する危害を避けるために行わる事務管理を、特に緊急事務管理といいます。自ら川に身を投げた人を救助するなどがこれにあたります。
 緊急事務管理が認められると、管理者の責任が一部軽減されます。
 例えば、自殺者を救助する場合、本来は本人の意思に反した管理になりますが事務管理と認められます。また、救助の過程で本人が怪我を負ったとしても、管理者に重大な過失がない限りは損害賠償背金を負うことはありません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする