請負契約

 請負契約とは、依頼を受けた者(請負人)が、ある仕事を完成することを約束し、その注文者がその仕事に対して報酬を支払う契約をいいます。
 有償、双務、諾成契約です。

請負人の義務

 請負契約において、請負人は以下の義務を有します。

仕事完成義務

 請負人は、契約に従って仕事を完成させる義務を負います。
 ただし、請負の場合には完成すべき時期までに仕事が完成しさえすればいいので、自らが仕事をしなくても第三者に仕事を任せることができます。これを下請けといいます。
 ただし、講演や演奏など請負人の個性に重きが置かれ、本人でなければならない場合には下請負人を用いることできません。

目的物引渡義務

 請負人は、完成した仕事の目的物を注文者に対し契約により引渡し義務を負います。
 請負人の目的物の引渡し義務と、注文者の報酬支払義務は同時履行の関係に立ちます。

請負人の担保責任

 請負契約における請負人の担保責任は以下の通りです。

瑕疵修補義務

 仕事の目的物に瑕疵がある場合、注文者は相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請負人に請求できます。
 ただし、瑕疵が重要でなかったり、修補に過分の費用を要するときは請求できません。

損害賠償義務

 注文者は、瑕疵修補が可能な場合でも、瑕疵修補の代わりに損害賠償請求が可能です。また、瑕疵修補請求と損害賠償請求を同時に行うこともできます。

契約の解除

 注文者は、目的が達することができないとき契約を解除できます。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りではありません。

担保責任の存続期間

 請負契約における担保責任の存続期間は以下の通りです。
・瑕疵の修補又は損害賠償の請求及び契約の解除は、仕事の目的物を引き渡した時から1年以内
・建物その他の土地の工作物については、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後5年
・石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、10年
・なお、期間は、消滅時効の期間内に限り、契約で伸長することができる

注文者の義務

 注文者は報酬支払義務を負います。
 報酬支払義務は、請負人の仕事が完成した後にはじめて発生します。ただし、前払いの特約がある場合には、請負人は報酬の前払いがあるまで仕事への着手を拒絶できます。

完成目的物の所有権の帰属

 完成目的物の所有権は、以下の場合によって変わってきます。

当事者に特約がある場合

 私的自治の原則から、特約に従って所有権の帰属が決まります。

当事者に特約がない場合

 注文者が材料の全部、または主要部分を供給した場合は、完成と同時に所有権は注文者に帰属します。
 一方で、請負人が材料の全部、または主要部分を供給した場合は、引渡しによって所有権が注文者に移転します。
 ただし、注文者が仕事完成までの間に代金の大部分を支払った場合は、完成と同時に所有権が注文者に帰属します。

請負契約の終了

 仕事が完成して終了する場合以外にも、請負契約が終了する場合があります。
 注文者は、請負人の仕事が完成しない間は、損害賠償をすれば、いつでも契約を解除できます。
 また、注文者が破産手続の開始の決定を受けた場合、請負人または破産管財人は、契約の解除をすることができます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする