売買契約

 売買契約とは、当事者の一方(売主)が目的物の財産権を相手方(買主)に移転し、相手方(買主)がこれに対して代金を支払う契約です。
 有償、双務、諾成契約です。

売主の義務

 売買契約における、売主の義務には以下のものがあります。
・財産権転移義務
・担保責任

 財産権転移義務とは、売主が負う、契約の目的物である財産権を転移する義務をいいます。
 買主が完全にその財産権を取得することができるようにするための一切の行為をしなければなりません。
 なお、引き渡されていない売買の目的物に果実を生じた場合、その果実は、売主に帰属します。引渡しが遅滞しているときでも、引渡しをするまで売主は果実を取得できます。

 担保責任とは、給付した権利関係や物に瑕疵がある場合に、当事者の間の公平を図る目的で、契約の一方当事者が負担する損害賠償などをする責任をいいます。
 売主は、その故意・過失に関係なく、担保責任を負います。
 担保責任は、売買目的物の欠陥の質、量の違いに応じて以下の6つの種類があります

目的物の権利の全部が他人に属する場合

 売買契約の目的物の全部(全体)が、売主以外の第三者の所有物である場合をいいます。

目的物の権利の一部が他人に属する場合

 売買契約の目的物の一部が、売主以外の第三者の所有物である場合をいいます。

数量不足・物の一部滅失の場合

 物の数に不足がある場合や一部が滅失しているため、給付義務者(売主)がその部分の権利を相手方(買主)に移転できない場合をいいます。

目的物に他人の用益権が付着している場合

 目的物に他人の用益権が付着している場合は更に3つの場合に分けられます
・地上権、永小作権、地役権、留置権または質権の目的となっている場合
・目的不動産のために存在するとされた地役権が存在しない場合
・買主に対抗できる賃借権が存在しない場合

目的物に他人の担保権が付着している場合

 売買契約の目的物に先取特権、または抵当権が設定されている場合をいいます。

目的物に隠れた瑕疵がある場合

 目的物に通常の品質や性能がなく、そのことを一般的では発見できない場合をいいます。

買主の義務

 売買契約において、買主には以下の義務が生じます。
・代金支払義務
・利息支払義務

 買主は代金を支払う義務を負います。
 ただし、以下の場合は、原則として代金の全部または一部の支払いを拒絶できます。
・売買の目的物の権利を主張する第三者がいるために、買主がその買い受けた権利を失うおそれがあるとき
・買い受けた不動産について抵当権・先取特権・質権の登記がある場合

代金の支払期限

 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定されます。

代金の支払場所

 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければなりません。

 買主は目的物引渡しの日から利息支払義務も負うことになります。
 ただし、代金の支払について期限があるときは、その期限が到来するまでは、利息を支払う必要はありません。

手付

 手付とは、売買契約の際に、当事者の一方から他方へ支払われる金銭その他の価値のあるものをいいます。

 手付には、公布する目的によって以下の3種類が存在します。

証約手付

 証約手付とは、契約が成立した証拠として交付される手付です。どの手付にも、少なくともこの証約手付の性質があります。

解約手付

 解約手付とは、売買契約を解除できるようにしようとする手付です。手付を相手方に渡す場合、その性質を決めていないときは解約手付と推定されます。

違約手付

 違約手付とは、債務不履行があったときに意味を持つ手付です。

 解約手付により契約を解除する場合、契約の相手方が履行に着手するまでに解約をしなければなりません。
 解約手付による解除の方法は、売主側と買主側で変わってきます。

売主側:手付倍返しによる解除

 売主は、買手に交付した倍額を償還すれば、相手の意思に関わらず、契約を解除できます。

買主側:手付放棄による解除

 買主は、すでに売主に渡してある手付金について放棄すれば、契約を解除することができます。

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