占有権

 占有とは、自分のために物を所持している状態をいいます。
 占有権は、占有することによって成立する権利をいいます。

占有権を得るための要件

 占有権は自分のためにする意思をもって物を所持することによって取得できます。
 よって、占有権を得るためには、以下の要件が必要になります。

所持

 民法上の所持とは、物が特定の人の支配に属していると認められる客観的な事実・状態です。
 現実に物を傍に置いている必要はありませんが、一定の時間的継続が必要とされます。なお、他人を媒介しての所持も認められます(占有代理人などによる場合)。

占有意思

 物の所持によって得られる利益を自分に帰属させる意思を占有意思といいます。日本法は「自己のためにする意思」を占有権取得の要件としています。

占有訴権

 占有訴権とは、占有の侵害がある場合に、その侵害の排除を請求できる権利です。
 占有訴権には以下の3つがあります。

占有保持の訴え

 占有者がその占有を妨害されたとき、その妨害の停止や損害の賠償ができる権利です。

占有保全の訴え

 占有者がその占有を妨害されるおそれがあるとき、その妨害の予防または損害賠償の担保を請求できる権利です。

占有回収の訴え

 占有者がその占有を奪われたとき、その物の返還及び損害の賠償を請求できる権利です。

果実収取権

 果実とは、物より生じる経済的な収益のことです。
 果実には、天然果実と法定果実があります。
 天然果実とは、天然のもので、乳牛から取れる牛乳などです。
 法定果実とは、地代や家賃、利息など、物の使用の対価として受ける金銭その他のものです。
 占有において、果実収取権が発生するか否かは、占有者の善意と悪意で変わってきます。
 善意占有者の場合、占有物より生じる果実を取得できます。
 一方、悪意占有者の場合は、果実を返還しなければなりません。そして、すでに消費し、過失により毀損し、または収取を怠った果実の対価を償還する義務を負います。

完全物権(所有権)

 所有権とは、法令の権限内で、自由にその所有物を使用・収益・処分することができる権利をいいます。

囲繞地通行権

 囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん)とは、公道に至るための他の土地の通行権をいいます。
 ある所有者の土地が、他の所有者の土地や海岸などに囲まれて、公道に接していないとします。この場合、囲まれている土地の所有者が公道まで他の土地を通行する権利を持ちます。このような土地の位置関係にある場合に、囲んでいる側の土地を「囲繞地」といい、囲まれている側の土地を「袋地」といいます。
 公道に至るための他の土地の通行権は、必要な場合かつ他の土地への損害が最も少ない場所・方法を選んで行使する必要があります。
 通行権を有するものは、必要があるときは、通路を解説することができます。
 土地の所有者に損害を与えたような場合には、償金を払わなければなりません。

共有

 共有とは、1個の物を2人以上で所有することをいいます。
 共有者が持つ所有の割合の事を持分または共有持分といいます。その割合は、意思や法律の規定によって定められますが、そうでない場合は平等と推定されます。
 共有物の利用者は、持分の割合に応じて、共有物を全部しようすることができます。
 共有物の保存・管理・変更についての規定は以下の通りです。
共有物の現状を維持する行為です。各共有者が単独で行えます。保存行為
共同物を利用して収益したり、使い勝手をよくする行為です。持分の価格の過半数で決めます。管理行為
共有物を物理的に変化させたり、法的に処分する行為です。共有者全員の同意で決めることができます。変更行為

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする