民法における物

 物(「もの」「者」と区別するために「ブツ」と読む場合がある)とは、法律上、物権または所有権の客体を示す概念です。その主体である人(自然人または法人)に対する言葉です。
 ある権利の対象となるものを、権利の客体といいます。
 民法では、権利の客体の中で最も基本的な「物」に関する規定を第三章に置いています。

動産と不動産

 動産と不動産は物の基本的な分類です。
 民法は土地及びその定着物(建物など)を不動産とし、不動産以外の物をすべて動産としています。
 土地の定着物には以下のものがあります。

土地とは個別の不動産として扱われるもの

 これには建物や立木があります。樹木のうち「立木法」の規定に従い登記されたものは、土地とは別の不動産になります。

土地とは別の取引対象にもなりうるもの

 これには樹木や農作物があります。
 一般の樹木や農作物は、当事者の意思により土地の一部として土地と一緒に取引することもできますし、独立した不動産として個別に取引することもできます。

土地の一部として扱われるもの

 これには石垣や敷石があります。なお、石灯籠など土地から簡単に動かせるのは、土地とは個別の動産として扱われます。

主物と従物

 物については、主物と従物という概念もあります。
 従物とは、物の所有者が、その物の常用に供するため、自己の所有する他の物をこれに附属させたものをいいます。従物を附属させられた側の物は主物と呼びます。
 具体例を挙げると、刀(主物)と鞘(従物)、母屋(主物)と納屋(従物)がこれにあたります。
 従物の処分は主物の処分に従うとされます。

元物と果実

 果実(かじつ)には以下の種類があります。

天然果実

 りんごの木のりんごや牛から出た牛乳など、ある物から自然に生み出されるものをいいます。
 天然果実は、それが元物から分離するときに「その果実を取得する権利」を持つ人のものになります。

法定果実

 ある物を人に使わせ、その対価として受け取る金銭などの物をいいます。貸した家の家賃や、貸した金の利息がこれにあたります。
 法定果実は、それを受け取る権利を持つ者が、その期間に応じて日割り計算で受け取ります。

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