制限行為能力者

 制限行為能力者とは、単独では完全に有効な法律行為をすることができない者をいいます。
 具体的には、以下のものを指します。
・未成年者
・成年被後見人
・被保佐人
・被補助人

制限行為能力者の保護者の権利

 制限行為能力者の保護者について関連してくるのが権利は以下の通りです。以下の権利は、制限行為能力者の分類によっては保護者が有しないことがあるので注意が必要です。

取消権

 取消権とは、瑕疵(つまり契約をする上での問題)があるものの一応有効に成立にしている法律行為について、その契約の効力を始まりまで遡って失わせる権利をいいます。

同意権

 同意見とは、他人の行為に賛成の意思を示すこと権利です。

追認権

 追認とは、一応有効に成立している法律行為を、確定的に有効とする意思表示をする権利をいいます。

代理権

 代理権とは、ある行為について本来行うべき者に代わって一定の者がその行為を行うことをいいます。

制限行為能力者の保護者の権利一覧

 制限行為能力者の保護者の権利についてまとめたものが、下記の表1です。
 表においては、○が権利を有することを意味し、×は権利が無いことをいみします。

未成年者

 未成年者とは20歳未満の者をいいます。

 未成年者による法律行為の効果は以下の通りです。

原則

 未成年者が、法定代理人の同意を得ないでした法律行為は、取り消すことができます。法定代理人とは、代理権が本人意思に基づかずに法律の規定によって与えられる代理人をいいます。

例外

 以下の場合の法律効果は取り消すことができません。
・単に権利を得て、義務を免れる行為(例:誕生日プレゼントをもらうなど)
・処分を許された財産の処分(例:もらったおこずかいを使うなど)
・法定代理人に許された一定の営業に関する行為をすること

 未成年者の保護者は、親権者または未成年後見人です。
 未成年者の保護者が有する権利は以下の通りです。
・取消権
・同意権
・追認権
・代理権

成年被後見人

 成年被後見人とは、精神上の障害によって物事の判断能力を欠く常況にあり、家庭裁判所で後見開始の審判を受けた者をいいます。

 成年被後見人による法律行為の効果は以下の通りです。

原則

 成年被後見人が、単独で行った法律行為は取り消すことができます。

例外

 日常生活に必要な範囲の行為については、単独で有効に行うことができ、取り消すことはできません。

 成年被後見人の保護者を成年後見人といいます。
 成年後見人は、法人もなることができます。また、成年後見人が選任されている場合でも、さらに成年後見人を選任が可能です。
 成年後見人が有する権利は以下の通りです。
・取消権
・追認権
・代理権
 ここで注意しなくてはいけないのは、成年後見人は同意権を持たないという点です。成年被後見人は理事弁別能力を欠く常況にあります。同意の意味がわからず、また、わかったとしても同意通りに行為をすることはできません。したがって、成年後見人には同意権は与えられません。

被保佐人

 被保佐人とは、精神上の障害によって物事の判断能力が著しく不十分で、家庭裁判所で保佐開始の審判を受けた者をいいます。

 被保佐人による法律行為の効果は以下の通りです。

原則

 被保佐人は、単独で法律行為をすることができます。

例外

 重要な財産上の行為(民法13条)について、保佐人の同意を得ずに行った法律行為は取り消すことができます。
 日常生活に必要な範囲の行為については単独で有効に行うことができ、取り消すことはできません。

 被保佐人の保護者を保佐人といいます。
 保佐人は、法人もなることができます。保佐人が選任されている場合でも、さらに保佐人を選任できます。
 保佐人が有する権利は以下の通りです。
・取消権
・同意権
・追認権
 また、代理権は、裁判所の審判によって、特定の法律行為について保佐人に与えられます。

被補助人

 被補助人とは、精神上の障害によって物事の判断能力が不十分で、家庭裁判所で補助開始の審判を受けた者を言います。

 被補助人による法律行為の効果は以下の通りです。

原則

 被補助人は、単独で法律行為をすることができます。

例外

 民法13条1項所定の行為の中から、被補助人の精神状態に応じて家庭裁判所が決めた特定の法律行為については、被補助人は単独で行うことができません。
 この場合、補助人の同意を得なかった行為は取り消すことができます。

 被補助人の保護者を補助人といいます。
 本人以外の者の請求により補助開始の審判をする場合は本人同意が必要となります。
 補助人は、法人もなることができます。補助人が選任されている場合でも、さらに補助人を選任できます。
 補助人が持つ権利は以下のものです。
・取消権
・同意権
・追認権
 代理権については、裁判所の審査によって、特定の法律行為について与えられます。

取消しの効果

 取消しとは、法律行為を遡及的に(始めにさかのぼって)無効にすることをいいます。譲り受けた物やその他の給付を返還しなければなりません。
 ただし、制限行為能力者の返還義務の範囲は、「現に利益を受けている限度」で足りるとされています。これは、散財などで既にない場合は、返還しなくてもよい、ということを意味します。

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