裁判官の身分保障

 裁判官の身分保障とは、裁判官の職権の独立を強化する制度をいいます。
 裁判官の職務遂行の独立の実効性を保つために、裁判官の身分を保障する必要があります。
 日本国憲法では、以下の規定が置かれています。
・罷免事由の限定
・行政機関による懲戒処分の禁止
・相当額の報酬の保障

罷免事由の限定

 憲法78条の前段には、
「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。」
 とあります。
 裁判官は、
・心身の故障
・公の弾劾
・国民審査(※最高裁判所裁判官に限る)
 の場合以外では、裁判官を罷免させることができません。
 この規定は裁判官が安心して裁判に専念できるようにするためです。これにより、裁判官の独立性を確保します。

行政機関による懲戒処分の禁止

 憲法78条の後段には、
「裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。」
 とあります。
 懲戒処分とは、非行に対して科せられる制裁をいいます。
 司法権の自主性を確保するためには、司法権以外の権力が懲戒処分を行うことは禁止されています。
 また、行政機関だけでなく立法機関も懲戒処分を行うことはできません。

相当額の報酬の保障

 憲法79条6項と80条2項には、それぞれ、
「最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」
「下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」
 とあります。
 裁判官は、定期、相当額の報酬の保障と、その減額の禁止が憲法上要求されています。

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