内閣の主な権能

 憲法73条の規定から、内閣の主な権能には以下のものがあると導かれます。
・法律を誠実に執行し、国務を総理する
・外交関係を処理する
・条約を締結する
・官吏に関する事務を掌理する
・予算を作成して国会に提出する
・政令を制定する
・恩赦を決定する

法律を誠実に執行し、国務を総理する

 内閣の主要な任務は、国会の制定した法律を、その通りに執行することです。内閣は、自らが違憲と判断する法律をも執行する義務を有します。なぜなら、内閣には違憲審査権がないからです。
 また、国務を総理するとは、行政事務全般について指揮監督するという意味です。よって、内閣が立法機関や司法機関を含めすべての国務を統括するという意味ではありません。

外交関係を処理する

 外国との外交関係を適切に処理することは内閣の任務です。

条約を締結する

 条約を締結することは内閣の任務です。ただし、条約の締結にあたっては国会の承認が事前に(場合によっては事後に)必要です。これは、外交に対する民主的なコントロールを的確、かつ、迅速に及ぼすためです。

官吏に関する事務を掌理する

 官吏とは、すなわち、公務員のことをいいます。
 また掌理とは、ある事務を取り扱い、処理することです。
 内閣は、国の行政権の活動に従事する官吏の人事行政事務、つまり人事管理を行います。

予算を作成して国会に提出する

 予算の作成は内閣の任務です。
 ただし、作成した予算は国会に提出して、その審議を受け決議を経なければなりません。これは、財政に対する民主的なコントロールを及ぼすためです。

政令を制定する

 政令とは、行政機関が制定する法規のうち、特に内閣が制定するものをいいます。
 ただし、憲法および法律の規定を直接的に実現させる政令を制定できません。なぜなら、立法権は国会が有しており、憲法を直接的に実現させる権限は国会が持つものと解されるからです。
 ゆえに、日本国憲法の下では、政令制定に関しては執行命令と委任命令の2つが認められるにすぎません。
 執行命令とは、法律を執行させるための命令です。
 委任命令とは、法律が立法権を行政機関に委任したことにより定められる命令をいいます。

恩赦を決定する

 恩赦とは、刑罰の全部もしくは一部を消滅させることをいいます。
 恩赦には以下のものがあります。
・大赦
・特赦
・減刑
・刑の執行の免除
・復権
 恩赦は内閣が決定します。ただし、それを認証するのは天皇です。

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